こんにちは。mochioです。
困っている人「正欲」が気になってるけど、面白いのかつまらないのか、書評を読んでから決めたい。
朝井リョウの「正欲」(せいよく)を読み終えましたので、感想を述べていきます。
「正欲」は2021年に第34回柴田錬三郎賞を受賞し、2022年本屋大賞にもノミネートされた作品です。
朝井リョウの作品は「少女は卒業しない」「何者」に続く3作目の読了になります。
朝井リョウは人の深いところを表現するのがとても上手な作家だと思いました。
この記事では、ある程度のネタバレを避けながら、おすすめ度と感想を紹介していきます。
2ページ目ではガッツリネタバレしているので注意です!
それでは本文。
「正欲」の概要
| 著者 | 朝井リョウ |
| 発売日 | 2023年5月29日(新潮文庫)/2021年3月26日(単行本) |
| 出版社 | 新潮社 |
| ページ数 | 528ページ(新潮文庫版) |
| 受賞歴 | 第34回柴田錬三郎賞受賞(2021年)、2022年本屋大賞ノミネート |
あらすじ
自分が想像できる「多様性」だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよな――。
息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、「多様性を尊重する時代」にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。
Amazon.co.jp
「正欲」を手に取った理由


本作を手に取った理由としては、帯の文言「読む前の自分には戻れない」
この文言に引っかかってしまいました。



ほう。どう戻れないか見せてもらおうじゃないか。
そんな挑戦的な姿勢でこの本を手に取りました。
「少女は卒業しない」「何者」を読んでいたので、朝井リョウの作品は読みやすい印象を持っていましたので、手に取るまでは速かったです。
朝井リョウ「正欲」のレビュー・評価


☆5つから☆1つにかけて少なくなっている。
面白い本と思った本は大体この形。
期待が持てる作品です。
印象に残ったレビュー
悲しい傑作
まず、これは、傑作だと思う。ただ、読む人を選ぶかもしれない。露悪的なわけではないし、後味がひどく悪いわけではない。ただ、哀しいお話であり、また、自分を省みることになる可能性が高い。
僕がアマゾンレビューを書くとしたら☆5ですね。
「正欲」のおすすめ度は★4.5
おすすめ度は以下の基準で決めています。
- 絶対に読め
- 優先的に読め
- 時間があれば読め
- 読まなくてもよい
- 時間の無駄
私の主観で考えているため、面白い本が★5とは限りません。
\詳しくはこちら!/
「正欲」はこんな人におすすめ!
- 「多様性」という言葉では表現しきれない、社会からの断絶感について考えたい人
- 朝井リョウの既読作(「何者」「少女は卒業しない」)を読んだことがある人
- 読了後にすっきりしない、考えさせられる読書体験を求めている人



この「こんな人におすすめ」も私の主観なので、当てはまらなくても全然気にしないでください。
朝井リョウさんの作品では「イン・ザ・メガチャーチ」も読んでレビューしています。
あわせてどうぞ。


\注意!次ページからはネタバレありの感想です!/
朝井リョウ「正欲」の内容
多様性という言葉が好まれる平成から令和に元号が変わる現代社会に生きる登場人物を描いていきます。
登場人物
- 「水に性欲が生まれる」結婚適齢期の男女と大学生
- 「多様性」をテーマの学園祭の実行委員を務める大学生
- 社会正義を進める検事とその不登校の小学生
これらの人物が物語を進めていきます。
物語のあらすじ
内容を箇条書きにしていくと
- 多様性という都合のいい言葉では、表現できない世界
- 多様性から外れた特殊な人が抱く、社会からの断絶感
- 手を取り合う人の存在
- 時代が変わっても社会は変わらない
こんな感じの内容を僕は「正欲」から感じました。
朝井リョウ「正欲」の名言・好きなセリフ
僕が、一番好きなセリフは
こっちはそんな、一緒に乗り越えよう、みたいな殊勝な態度でどうにかなる世界にいない。
引用 : 正欲 より
マイノリティを利用するだけ利用したドラマでこれが多様性だとか令和だとか盛り上がれるようなおめでたい人生じゃない。
マイノリティ中のマイノリティに存在する人間の悲痛とも助けを求める叫びとも聞こえるこのセリフとこのシーンの前後にはすごく心奪われました。
朝井リョウ「正欲」の感想
読む前の自分には戻れないのか
まず始めに、本の帯にあった「読む前の自分には戻れない」の真偽としては、
読む前の自分には戻れませんでした(笑)
それは日常の中にいる、自分の全く知らない世界について知ったからです。
特殊な欲をもつ、社会からの断絶感がひしひしと伝わってきました。
理解されないことの苦しみ。理解しようとする人へのイラ立ち。
これらから新しい価値観を植え付けられました。
読了後のやりきれない気持ち・もやもや
本書はハッピーエンドともバッドエンドとも言えない終わり方をします。
明るい未来が見えたと思ったら、社会の大きな正しさに飲み込まれる様が、読了後のもやもやを生み出します。
おわりに
今回は朝井リョウの「正欲」の感想について書きました。
本書は書店員が本の評価する「2022年本屋大賞」にノミネートされた本でもあります。
他にもノミネートされた作品はありますが、本書がノミネート作品の一番初めに読んだ本なので、大賞になるかどうかは分かりませんが、とても満足度の高い本なので、上位には入るんじゃないかなぁと思っています。
2022年本屋大賞は「同志少女よ、敵を撃て」(逢坂冬馬)が受賞しました。
以上!mochioでした!










