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【朝井リョウ 正欲】読む前の自分には戻れない本は本当だった【ちょいネタバレ感想】

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こんにちは。mochioです。

2022年本屋大賞ノミネート作品の朝井リョウ正欲を読み終えましたので感想を述べていきます。

朝井リョウの作品は「少女は卒業しない」「何者」に続く3作目の読了になります。
朝井リョウは人の深いところを表現するのがとても上手な作家だと思いました。


目次

「正欲」を手に取った理由


本作を手に取った理由としては、帯の文言「読む前の自分には戻れない」
この文言に引っかかってしまいました。

[chat face=”mochio_nomal.png” name=”mochio” align=”left” border=”gray” bg=”none”]
ほう。どう戻れないか見せてもらおうじゃないか。
[/chat]

そんな挑戦的な姿勢でこの本を手に取りました。

少女は卒業しない」「何者」を読んでいたので、朝井リョウの作品は読みやすい印象を持っていましたので、手に取るまでは速かったです。

朝井リョウ「正欲」のレビュー・評価


引用元 amazonレビューより

☆5つから☆1つにかけて少なくなっている。
面白い本と思った本は大体この形。

期待が持てる作品です。

印象に残ったレビュー

悲しい傑作
まず、これは、傑作だと思う。ただ、読む人を選ぶかもしれない。露悪的なわけではないし、後味がひどく悪いわけではない。ただ、哀しいお話であり、また、自分を省みることになる可能性が高い。

引用元 amazonレビューより

僕がアマゾンレビューを書くとしたら☆5ですね。

朝井リョウ「正欲」の内容

多様性という言葉が好まれる平成から令和に元号が変わる現代社会に生きる登場人物を描いていきます。

登場人物

  • 「水に性欲が生まれる」結婚適齢期の男女と大学生
  • 「多様性」をテーマの学園祭の実行委員を務める大学生
  • 社会正義を進める検事とその不登校の小学生

これらの人物が物語を進めていきます。

物語のあらすじ

内容を箇条書きにしていくと

  • 多様性という都合のいい言葉では、表現できない世界
  • 多様性から外れた特殊な人が抱く、社会からの断絶感
  • 手を取り合う人の存在
  • 時代が変わっても社会は変わらない

こんな感じの内容を僕は「正欲」から感じました。

朝井リョウ「性欲」で好きなセリフ

僕が、一番好きなセリフは

こっちはそんな、一緒に乗り越えよう、みたいな殊勝な態度でどうにかなる世界にいない。
マイノリティを利用するだけ利用したドラマでこれが多様性だとか令和だとか盛り上がれるようなおめでたい人生じゃない。

引用 : 正欲 より

マイノリティ中のマイノリティに存在する人間の悲痛とも助けを求める叫びとも聞こえるこのセリフとこのシーンの前後にはすごく心奪われました。

朝井リョウ 「正欲」の感想

読む前の自分には戻れないのか

まず始めに、本の帯にあった「読む前の自分には戻れない」の真偽としては、

読む前の自分には戻れませんでした(笑)

それは日常の中にいる、自分の全く知らない世界について知ったからです。
特殊な欲をもつ、社会からの断絶感がひしひしと伝わってきました。
理解されないことの苦しみ。理解しようとする人へのイラ立ち。

これらから新しい価値観を植え付けられました。

読了後のやりきれない気持ち・もやもや

本書はハッピーエンドともバッドエンドとも言えない終わり方をします。
明るい未来が見えたと思ったら、社会の大きな正しさに飲み込まれる様が、読了後のもやもやを生み出します。

おわりに

今回は朝井リョウの「正欲」の感想について書きました。

本書は書店員が本の評価する「2022年本屋大賞」にノミネートされた本でもあります。

他にもノミネートされた作品はありますが、本書がノミネート作品の一番初めに読んだ本なので、大賞になるかどうかは分かりませんが、とても満足度の高い本なので、上位には入るんじゃないかなぁと思っています。

大賞発表の2022年 月までに残りの本屋大賞ノミネート作品についても読んでみたいですね。

以上、mochioでした。


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