こんにちは。mochioです。
今回は、道尾秀介氏の向日葵の咲かない夏を読みましたので、ちょいネタバレありで感想とおすすめ度について書いていきます。
おすすめ度は★2.3
しばらくはミステリーを読まなくてもいいやと思わせる、不気味な作品でした。
それでは本文
向日葵の咲かない夏の概要
ネットでは賛否両論別れる、100万部突破の大ベストセラー本で、Youtuberのヨビノリたくみが一番好きな本と紹介していました。
あらすじ
夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した級友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間、彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。
おすすめ度は★2.3
本書のおすすめ度は★2.3です。
おすすめ度は以下の基準で決めています。
- ★5
-
絶対に読め
- ★4
-
優先的に読め
- ★3
-
時間があれば読め
- ★2
-
読まなくてもよい
- ★1
-
時間の無駄
私の主観で考えているため、面白い本が★5とは限りません。
人が死ぬ描写のある作品は苦手なので、面白くても★は低くなってしまいます。
100万部も達成した本だし、さぞ面白いんだろうなぁと思って読み始めました。
読んだあとの感想は、
んー・・・気持ち悪い・・・
これ本当に100万部売ったのかよ・・・
読後感はこれまで読んだ本の中で圧倒的に良くないです。
そのことも踏まえて★は低く設定しました。
賛否両論とはまさにこの本のことを指しています。
刺さる人には刺さるだろうけど・・・
何といっても気持ち悪い・・・
最初は死んだ人が生き返って登場するってところでファンタジー要素が強い作品なのかな?って思いながら読んでいきました。
そこから、犯人を突き止めるまではミステリー色が出てきて、最終的にはホラーじゃん!ってなります。
本書は最後で結末ががらっと変わるどんでん返し系の作品です。
どんでん返し系の作品を読んだ後は、もう一度読み返すことで、随所に張り巡らされた仕掛けに気づくことができますが、この本ではもう一回読もうという気持ちにはなれませんでした。
決してグロいとか、ホラーとかいうわけではなく、サイコパスなんですよね。
ちょっと受け入れ辛すぎてもう一度読めって言われても読みたくないです。
ここからネタバレ「ミチオが気持ち悪い」
ここからはネタバレを含みます
この本は簡単にいうと、
主人公ミチオの現実と妄想が組み合わさった物語
という言い方ができるのではないかと思います。
S君がクモに生まれ変わったというのは冒頭で説明されてますが、読み進めていくと、実は妹はトカゲに生まれ変わっていたと明かされます。
この本の冒頭では、ミチオのことを普通の人と捉えていましたが、話を進めるにつれて、ミチオのことが気持ち悪くて受け付けられなくなります。
- 妹が寝ている最中に起こして指を妹の口に突っ込む
- S君の生まれ変わりのクモを指で潰し、妹に食べさせる
おいおいおいおい、このミチオさん大丈夫かよ・・・と思わせられました
- S君はクモ、妹はトカゲの生まれ変わりと妄想
- 自分の妄想を正当化させるために、人を殺す
- 家族が死んでも妄想は止まらずお構いなし
とんだサイコパス野郎じゃねぇか!!
こんな感想を抱きました。
でもミチオの存在もわからなくはない
ネタバレすべてはミチオが作り上げた、ミチオにとって都合の良い物語っていう解釈をしました。 9~10歳のこれから思春期を迎えて大人になる子供がもつ心の繊細さが、ミカやS君を生まれ変わらせたのかなぁなんて思ったりしました。 しばらくミステリー読まなくていいやと思わせる読後感。
https://bookmeter.com/users/762796
こんなことを読書メーターには投稿しました。
ミチオが自分の都合のよいような妄想に耽ってしまったのは、母親のせいでもありそうと考えます。
9~10歳のこれから思春期を迎える子供にとって、母親からの「人殺し」発言は精神的にくるものはありそうです。
そして家はごみ屋敷。母親は人形を妹に見立てて可愛がり現実逃避
こんな環境のもとで育つ精神的に未熟な小学4年生であれば、現実逃避や都合のいい解釈のために、死んだS君や妹のミカを生まれ変わったと妄想してもおかしくは無いんじゃないでしょうか。
まぁでも人殺しはやりすぎか・・・
ちなみに、冒頭で、トカゲなのかワニなのか分からない絵を書いていたミチオが同級生に馬鹿にされ、激高するところは、妹(妄想)の姿を書いていたという伏線でしたね。
意外なところに伏線があり、案の定気づけません(笑)
以上!mochioでした。